「気になる新ワードをピックアップ!」では、117回ではじめて出題された注目ワードや出題のされ方を2回に分けて解説していきます。
今回はまず「必修編」です!
実は117国試の必修問題では、特段目新しいワードはありませんでした。
しかし、これまでも出題されていたワードが初めて正解選択肢となっていたり、これまでより深堀りした内容を問われる問題もありました。
今後の国試対策としてそれらを知っておくことはとても大切です!
早速みていきましょう!
A12 Rohrer指数
115D1ではRohrer指数を用いる年齢が問われ、今回も必修でRohrer指数の正常範囲が問われました。
Rohrer指数は身長と体重から栄養状態や肥満度(小児では発育状態)を評価するもので、体格指数ともいいます。体格指数はRohrer指数の他に、Kaup指数、BMIがあるので、それぞれの計算式と正常範囲を確認しておきましょう。
【Kaup指数】6歳未満の乳幼児に適応
計算式:[体重(g)/身長(cm)2]×10
正常範囲:15〜18未満
【Rohrer指数】6歳以上の学童に適応
13歳以降では男女差が大きくなるため、思春期以降はBMIを用いるのが一般的
計算式:[体重(g)/身長(cm)3]×104
正常範囲:115〜145
【BMI】おもに思春期以降〜成人に適応
計算式:体重(kg)/身長(m)2
正常範囲:18.5〜25
また、116C90ではKaup指数を計算して求める問題が出題されています。これらの問題も合わせて確認しておきましょう。
B14 戒告
医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定として、刑法上の問題であれば刑事責任、民法上の問題であれば民事責任、歯科医師法上の問題であれば行政責任が問われます。
今回は歯科医師法上の行政処分(歯科医師法第7条第1項)のうち、初めて「戒告」が出題されました。 戒告とは、歯科医師が受ける行政処分のなかでは最も軽い処分で、不当、違法行為を注意し、再発防止に努めるように戒める処分です。3年以内の歯科医業の停止、免許の取消しはわかりやすいと思いますが、戒告についてもおさえておきましょう。
C6 酵素共役型受容体
酵素共役型受容体の文言自体は112B30で出ていましたが、正解選択肢となるのは初でした。受容体の種類について確認しておきましょう。
【細胞膜受容体】
イオンチャネル内蔵型受容体:ニコチン受容体、GABAA受容体
Gタンパク質共役型受容体(細胞膜7回貫通型受容体):アドレナリン受容体、ヒスタミン受容体、ムスカリン受容体、オピオイド受容体
酵素共役型受容体(チロシンキナーゼ活性型受容体):インスリン受容体
【細胞質(核)内受容体】
ステロイドホルモン受容体、甲状腺ホルモン受容体、ビタミンD受容体
C16 ALP
成人と比べて小児で高値を示すものとして、アルカリホスファターゼ(ALP)が出題されました。
アルカリホスファターゼは、骨代謝が活発である小児のほうが高値になります。
成人と小児の生理的特徴の比較は国家試験に頻出です。ポイントをおさえておきましょう。
・小児(乳児期以降)のほうが低値
血圧、赤血球数、血色素量など
・小児のほうが高値
体温、呼吸数、心拍数、白血球数、アルカリホスファターゼ(ALP)、クレアチンキナーゼ(CK)など
また、検査値を学習するときは基準値を覚えるだけではなく、成人と小児との比較、性差(116D19で出題されました!)、食事の影響を受ける検査値(107A111で出題されました!)なども重要です。関連づけた学習をするようにしましょう。
*参考「116回国試の気になる新ワードをピックアップ!D19性差のある検査値」
いかがでしょうか?
今回の国試の傾向として、過去に問題で出されたワードが深堀りして問われています。
ただ過去問題を解くのではなく、周辺知識もあわせて学習しましょう!
次回は基礎系、臨床系の新ワードを解説します!次回の記事を楽しみにしていてください!