歯科国試対策で重要な「過去問」。
このシリーズでは、過去問演習をより効果的にすすめるために知っておくべきポイントについて解説します。
せっかく覚えても、ヒトはどうしても忘れてしまうもの。知識の定着のためには、どんな振り返りが必要なのか。効果的にアウトプットにつなげる方法をお伝えします!
知識を定着させるための復習タイミングは?
国試の過去問にかぎらず、学習において大事なのは「繰り返して定着させる」ことです。
これはこれまでの受験勉強などで誰もがわかっていることだと思いますが、過去問においてはどのように取り組めばよいでしょう。
有名なドイツの心理学者エビングハウスが提唱した忘却曲線によると、時間が経つにつれて「20分後には約42%」→「1時間後には約56%」→「1日後には約74%」→「1週間後には約77%」→「1か月後には約79%」を忘れるということです。つまり、何もしないと1日後には3/4を忘れてしまうということになります。
これをふまえると、まずはその日に解いた分を最後にざっと見直すことが有効です。
その後のタイミングとしては、翌日、1週間後、1か月後に「忘れる前に思い出す」こと。といっても、かぎられた時間でタイミングよく見直し・解き直しをするというのはなかなかむずかしいかもしれません。
たとえば最初のインプットと翌日の復習は書籍で。そして1週間後、1か月後については実践iPadアプリを利用して復習すると、書籍を何冊も持ち運ぶ必要がなくなり、少し時間がとれたときに取り組むことができます。
“なんとなく覚えてしまった”に対応する!
知識をインプットする際には類似テーマの問題を関連づけて解いていくことが有効です。
▶ 「②知識が身につく過去問の使い方」参照
しかし類題が並んだ状態で演習を繰り返すと直面するのが、答えを別の角度から類推してしまったり、答えを覚えてしまったりすることです。
実践iPadアプリを利用するメリットの一つがシャッフル演習ができることで、特定の科目・回数をシャッフルして解くことで、より確実に定着を確認することができます。
もちろん復習で解く際にも、各選択肢について正誤の理由をきちんと考えながら解答していくことが大事です。
答えを選択したあとはいったん立ち止まって、その根拠、✕選択肢があてはまらない理由を頭の中で反芻してみましょう。実はここで能動的に思い出す行為をアクティブリコールといい、知識の定着にとても有効です。「思い出しながら繰り返し解く」ことをぜひ実践してみてください。
あとは答えと解説を見て、大事なポイントがおさえられているか、覚えられていたか、確認しましょう。
このほかおすすめの効果的な学習方法
ご紹介したアクティブリコール(能動的に頭の中で思い出す行為)のほかに、効果的な学習方法をいくつかご紹介します。これまでの受験勉強などで経験的に知っていることもあるかと思いますが、ぜひ参考にしてください!
● 視覚化
図や表にまとめたり色分けすると、記憶の手がかりになる。解剖図はもちろん、機序をチャート形式でまとめてみるなど。
● 他の人に説明する
他の人に自分の言葉で説明することで、理解が深まり記憶に残りやすくなる。ひとりごとでもOK。
● テスト・演習形式での復習
問題を出しあう、単語カードのようなものを使うなど、単に読み返すだけでなく演習することで知識が定着しやすくなる。過去問演習もその一つ。
過去問演習で効果的に知識を定着させ、アウトプットにつなげていくために知っておきたいポイントをご紹介しました。
これらをヒントに、自分にあった方法で国試対策をすすめていってください!
第4回は、国試の合格ラインと過去問、スケジュール について考えます!