今回のテーマは健康日本21です!
以前の記事で医療計画が新しくなったとお伝えしましたが、実は健康日本21も令和6年度(2024年)から新しくなりました。
健康日本21とは
まずみなさん、健康日本21とは何でしょうか?
ずばり、健康日本21とは「21世紀、日本国民みんな健康になりましょう!」という運動です。これまで第一次(2000年〜)、第二次(2013年〜)と行われており、第三次が2024年より開始となりました。
これまでの健康日本21(第二次)のポイント
では、新たに始まった健康日本21(第三次)を理解するために、まずは令和5年度まで行われていた健康日本21(第二次)についてみていきましょう。
第二次では基本的方向として次の5つの項目とそれぞれに目標が掲げられています。
健康状態、つまり日常生活に制限のない期間の延伸と都道府県格差の縮小を目標に掲げています。
NCDs(非感染性疾患)である「がん、循環器疾患、糖尿病、COPD」の予防として、がん検診の受診率の向上や、メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少、COPDの認知度の向上などを目標に掲げています。
自殺者の減少や、ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合の増加、低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制などを目標に掲げています。
地域のつながりの強化や健康づくりに関して身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点数の増加などを目標に掲げています。
適正体重を維持している者の増加や食塩摂取量の減少、野菜と果物の摂取量の増加、運動習慣者の割合の増加、成人の喫煙率の減少などを目標に掲げています。
⑤のなかに、われわれに重要な歯・口腔に関する項目が含まれています!
健康日本21(第二次)の歯・口腔の健康に関する目標と最終評価
掲げられた目標と、直近実績値、最終評価を表にまとめてみました。
項目 |
直近実績値 |
目標 (令和4年度) |
最終評価 | |
---|---|---|---|---|
① | 口腔機能の維持・向上(60歳代における咀嚼良好者の割合の増加) |
71.5% |
80% | C |
② | 歯の喪失防止 |
E |
||
ア 80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加 |
51.2% |
60% |
E※ |
|
イ 60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加 |
74.4% |
80% |
E※ |
|
ウ 40歳で喪失歯のない者の割合の増加 |
73.4% |
75% |
E※ |
|
③ | 歯周病を有する者の割合の減少 | E | ||
ア 20歳代における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少 |
21.1% |
25% | A | |
イ 40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少 |
44.7% |
25% | E※ | |
ウ 60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少 |
62.0% |
45% | E※ | |
④ | 乳幼児・学齢期のう蝕のない者の増加 | B | ||
ア 3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加 |
45都道府県 |
47都道府県 | B | |
イ 12歳児の一人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県の増加 |
41都道府県 |
47都道府県 | B | |
⑤ | 過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加 |
52.9% |
65% | E※ |
評価)A:目標値に達した B:現時点で目標値に達していないが、改善している C:変わらない D:悪化している
※は、新型コロナウイルス感染症の影響でデータソースとなる調査が中止となった項目
新型コロナウイルス感染症の影響で一部評価が難しい項目もありますが、最終評価では口腔機能の維持・向上については大きな変化がみられず、歯の喪失防止つまり残存歯は増加している一方で、歯周病に罹患している歯が増加している可能性が高いという結論になりました。また、乳幼児・学齢期のう蝕のない者や歯科検診を受診した者の割合には改善傾向がみられますが、地域差があるという課題がわかり、とくに歯科検診の受診率は若年層で低いことがわかりました。
これらのことから次の健康日本21(第三次)では新たな目標が設定されることとなりました。
次回はいよいよ新しくなった健康日本21(第三次)についてみていきます!