【直前期!応援!】みんな知ってる?けど、混乱しがちな指標を確認!TNM分類とStage分類(問題編)

国試対策

前回は、TNM分類とStage分類の概要を確認しました。
今回は、知識が定着しているか確認問題を解いてみましょう!

 

TNM分類とStage分類をそれぞれ考えてみましょう

【第1問】

右側下顎歯肉に最大径3.2cmの歯肉癌

深達度4mm

リンパ節転移なし

遠隔転移なし

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第1問解答】T2N0M0 StageⅡ

 

 

 

【第2問】

右側舌縁に最大径1.5cmの舌癌

深達度7mm

右側顎下部に最大径4cmのリンパ節転移が1つ

節外浸潤なし

遠隔転移なし

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第2問解答】T2N2aM0 StageⅣA

 

 

 

【第3問】

右側舌縁に最大径4.3cmの舌癌

深達度9mm

右側顎下部に最大径2.6cmのリンパ節転移が1つ

節外浸潤なし

遠隔転移なし

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第3問解答】T3N1M0 StageⅢ

 

 

 

【第4問】

左側上顎歯肉に最大径3.2cmの歯肉癌

上顎洞への浸潤あり

左側顎下部に最大径1cm、右側顎下部に最大径0.5cmのリンパ節転移あり

節外浸潤なし

遠隔転移なし

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第4問解答】T4aN2cM0 StageⅣA

 

 

 

【第5問】

左側下顎歯肉に最大径4.3cmの歯肉癌

咀嚼筋隙への浸潤あり

左側顎下部に最大径7cmのリンパ節転移が1つ

節外浸潤あり

肺に遠隔転移あり

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第5問解答】T4bN3bM1 StageⅣC

 

 

 

【第6問】

右側舌縁に最大径2cmの舌癌

深達度8mm

右側顎下部に最大径2cmのリンパ節転移が3個

節外浸潤なし

遠隔転移なし

▼正解はこちら▼

 

 

 

 

 

 

 

【第6問解答】T2N2bM0 StageⅣA

 

 

 

最後に国試の問題を2問解いてみましょう!

【114B81】

 ​​70歳の男性。舌の腫脹を主訴として来院した。1か月前に自覚したが、痛みがないためにそのままにしていたという。右側舌縁部に易出血性の腫脹を認める。超音波検査、CT及びFDG-PET/CTで頸部リンパ節転移と遠隔転移を認めなかった。初診時の口腔内写真(A)、造影CT(B)、口腔内超音波検査の画像(C)及び生検時のH-E染色病理組織像(D)を別に示す。

 TNM分類(UICC2017)におけるstage分類はどれか。1つ選べ。

a Stage0

b StageⅠ

c StageⅡ

d StageⅢ

e StageⅣA

 

 

解答 B

解説

口腔内写真から腫瘍の最大径は10mm、超音波検査から深達度は2mmであり、T1に相当します。

  腫瘍最大径2cm以下 2cm超 4cm以下 4cm超
深達度5mm以下 T1 T2 T3
5mm超 10mm以下 T2 T2 T3
10mm超 T2 T3 T4

また、リンパ節転移や遠隔転移はないので、N0、M0であるとわかります。
本症例はT1N0M0なのでStageⅠに分類されます。

  N0 N1 N2 N3 M1
Tis 0        
T1 ⅣA ⅣB ⅣC
T2 ⅣA ⅣB ⅣC
T3 ⅣA ⅣB ⅣC
T4a ⅣA ⅣA ⅣA ⅣB ⅣC
T4b ⅣB ⅣB ⅣB ⅣB ⅣC

 

 

【116B77】

 56歳の女性。下顎左側臼歯部の痛みと歯の動揺を主訴として来院した。2か月前から疼痛を自覚し、次第に動揺してきたという。下顎左側臼歯部に42×20mm大の腫瘤を認め、生検の結果は扁平上皮癌であった。FDG-PET/CTで遠隔転移を認めなかった。初診時の口腔内写真(A)、エックス線画像(B)及びFDG-PET/CT(C)を別に示す。

 TNM分類(UICC2017)はどれか。1つ選べ。

a T1N2bM0

b T2N1M1

c T3N2aM1

d T4aN2bM0

e T4bN3aM0

 

解答 D

解説

腫瘍の最大径が42mmであり、下顎皮質骨に浸潤しているため、T4aに相当します。

T4a(口唇):下顎の骨皮質を超えて浸潤
  下歯槽神経、口腔底、または皮膚(オトガイ部または外鼻)に浸潤 
  (口腔):最大径4cmを超え、かつ深達度が10mmを超える、または下顎あるいは上顎の骨皮質を超えて浸潤するか上顎洞に浸潤、または顔面皮膚に浸潤 

また、FDG-PET/CT の所見から、左側顎下部に複数個のリンパ節転移を認め、N2bと考えられます。

ただし、リンパ節に関する情報がFDG-PET/CT のみであり、この情報だけから転移リンパ節の大きさを厳密に評価することは難しいです。そのため、N3a は完全に誤りとはいえません。選択肢eのT4bN3aM0は「T4bが誤り」ということから判断しましょう。
遠隔転移は問題文より否定されているため、M0となります。
以上のことから、TNM分類はT4aN2bM0となります。
また、Stage分類はⅣAに分類されます。

  N0 N1 N2 N3 M1
Tis 0        
T1 ⅣA ⅣB ⅣC
T2 ⅣA ⅣB ⅣC
T3 ⅣA ⅣB ⅣC
T4a ⅣA ⅣA ⅣA ⅣB ⅣC
T4b ⅣB ⅣB ⅣB ⅣB ⅣC

 

 

TNM分類とStage分類について、整理できましたか?
各分類の原則をひととおり覚えたあとは、問題演習を積み重ねることで理解した内容を具体的な形にしていきましょう!

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