【暗記チェック!!】バーの種類と見分け方②

国試対策

前回はさまざまなバーの画像から名前や用途を答えられるか確認しました。
国試でも同じようにバーの画像から用途や使うタイミングを問う問題が出題されています。
今回は実際の国家試験の問題を解いてみましょう!

 

113B88

 40歳の男性。上顎左側中切歯の一過性の冷水痛を主訴として来院した。2か月前から自覚していたがそのままにしていたという。検査の結果、齲蝕と診断し、光硬化型グラスアイオノマーセメント修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(A)、エックス線画像(B)、└1の口蓋側面から便宜拡大した口腔内写真(C)及び切削器具の写真(D)を別に示す。

 窩洞形成に用いるのはどれか。2つ選べ

a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

 

解答 A,E

解説

写真(C)を見てみると、└1近心のエナメル質および象牙質に齲蝕を認めます。

エナメル質を切削して齲窩を開拡するときに使うのはアのダイヤモンドポイントです。

イはスーパーファインタイプのダイヤモンドポイントです。スーパーファインタイプはCRの形態修正やベベルの付与などに使われますが、グラスアイオノマー修復ではベベルは付与しないので今回の窩洞形成では使用しません。

ウはコーン形態でクロスカットがないため、フィニッシング用のカーバイドバーです。CRの形態修正に使います。

エはホワイトポイントで、CRの形態修正に使います。

オはラウンドタイプのスチールバーで、象牙質齲蝕を除去するのに使います。

また、感染歯質の除去は厳密には窩洞形成に含まれませんが、接着修復では、齲窩の開拡→感染歯質の除去→窩縁形態の処理のあとすぐに充塡操作をします。つまり、感染歯質を削ったそのままの形が窩洞になるので、感染歯質の除去も窩洞形成に含まれると解釈することがあります。用語に注意して問題を読み解きましょう。

 

 

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 25歳の女性。上顎左側第一小臼歯の冷水痛を主訴として来院した。検査の結果、コンポジットレジン修復を行うこととした。初診時と修復物除去後の口腔内写真(A)及び切削器具の写真(B)を別に示す。

 次に用いる切削器具はどれか。1つ選べ。

a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ



解答 D

解説

写真から、修復物除去後に行うことは「象牙質齲蝕の除去」だとわかります。

器具の写真のうち象牙質齲蝕の除去に使うのは、エのラウンドタイプのスチールバーです。

オもスチールバーですが、インバーテッドコーンタイプで、健全象牙質へのアンダーカット付与に使います。

ウのラウンドタイプのダイヤモンドポイントは、過剰切削の危険性があるため、「象牙質齲蝕」には使えません。​​​​齲窩の開拡やベベルの形成などおもにエナメル質の形成に使用します。

 

 

111C79

 15歳の男子。下顎右側第一大臼歯の違和感を主訴として来院した。歯髄電気診に生活反応を示すが、打診痛はない。コンポジットレジン修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(A)、エックス線画像(B)及び器具の写真(C)を別に示す。

 最初に行う操作で用いるのはどれか。2つ選べ

a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

 

解答 D,E

解説

写真から、まずはエナメル質を切削して齲窩の開拡を行う必要があります。

器具の写真のうち齲窩の開拡に使うのは、エのダイヤモンドポイントオのタングステンカーバイドバーです。

ウのスチールバー(ラウンドタイプ)を選んだ受験生が多かったようですが、齲窩の開拡が終わり、象牙質齲蝕を除去するときに使います。スチールバーでエナメル質を切削することはできません。

 

 

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 各種切削用バー、ポイントの写真を別に示す。

 根面齲蝕の窩洞形成に使用するのはどれか。

a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ

 

解答 D

解説

まず、根面齲蝕の特徴を考えましょう。

根面齲蝕は歯肉退縮によって露出した象牙質に形成されます。つまり、象牙質齲蝕が主体です。

象牙質齲蝕に対して使えるのは、エのスチールバー(ラウンドタイプ)です。

ア、イのダイヤモンドポイントとウのタングステンカーバイドバーは窩洞形成には使いますが、象牙質齲蝕に対しては使いません。

オはスチールバーですが、フィッシャータイプの形状です。インレー窩洞形成時に象牙質を切削するときに使います。

 

 

バーの種類について解説しましたが、いかがでしょうか。

問題を解くときは、「いつ、どこで、何のために使うのか」を意識してみましょう。
また、紹介したバーや用途はあくまで一部分です。教科書や実習書、臨床実習などで先生がどのように使っているのかもよく確認しておきましょう。

 

 

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