令和9年版出題基準の気になる新ワードをピックアップ!【口腔機能・画像検査編】

国試・CBT対策

新ワード解説の第2弾となる今回は、受験生の間で理解度の差がつきやすい【口腔機能・画像検査編】です。
プロセスモデルやGLIM基準など、一見難しそうにみえる重要ワードの仕組みをスッキリ整理していきましょう!

 

口腔機能

プロセスモデル

摂食嚥下において一般的に用いられる5期モデルは先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5つの段階に分けていましたが、プロセスモデルは固形物を食べた際に、咀嚼と咽頭への送り込みが同時に起こるという考え方を示したモデルです。プロセスモデルは第1期輸送(StageⅠ transport)、プロセシング(Processing)、第2期輸送(StageⅡ transport)、下咽頭通過(Pharyngeal swallow)という流れで示されます。

食物を捕食し臼歯部まで運ぶ第1期輸送が行われたあとに、食物を咀嚼し唾液と混和することで食塊形成を行うプロセシングと、咀嚼された食塊が順次咽頭へと送り込まれる第2期輸送がオーバーラップして同時に起こります。

たとえば、せんべいなどの固い食べ物を口に入れたとき、まだ咀嚼している途中なのに食べ物の一部がすでに喉の方へ送られている、という現象を感じたことはありませんか。これを説明するのがプロセスモデルです。プロセスモデルにおける第1期輸送、プロセシング、第2期輸送は、従来の5期モデルにおける準備期と口腔期で生じている現象です。

 

Functional Oral Intake Scale〈FOIS〉、Food Intake Level Scale〈FILS〉

FOISやFILSは摂食嚥下障害の重症度分類として使用される評価基準になります。
FOISは実際の摂食状況を評価するスケールで、経管栄養摂取のみの状態から制限のない経口栄養摂取までの7段階で評価します。
FILSは経口摂取の有無と代替栄養の必要性に加えて、実際に食べている状況まで含めた10段階でより細かく評価します。
いずれも摂食嚥下障害のある患者がどの程度経口摂取できているかを段階的に評価するためのツールで、リハビリテーションの効果判定や栄養管理の方針決定に用いられます。それぞれのレベルが摂食嚥下障害のどのような状態を表しているかを理解しておきましょう。

 

GLIM基準

GLIM基準は2018年に初めて世界基準で提案された成人の低栄養の診断基準です。

GLIM基準による低栄養の診断では、まずスクリーニング検査(MUST,NRS-2002,MNA-SFなど)を行い、栄養リスクがあると判断された場合は、表現型基準(意図しない体重減少、低BMI、筋肉量減少)と病因基準(食事摂取量減少/消化吸収能低下、疾病負荷/炎症)のそれぞれで1つ以上該当した場合に低栄養と診断します。

低栄養と診断したうえで、必要に応じて重症度の判定も行います。診断基準における表現型基準の各項目の基準値を高度に超えたものが1つ以上で重度、そうではない場合は中等度と判定します。

わが国では令和6年度診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟などの入退院時の栄養状態評価にGLIM基準を用いることが要件化されています。

 

 

画像検査

ダイナミックMRI、拡散強調像、エラストグラフィ

過去の国家試験問題でも出題されていましたが、改めて今回の出題基準で新たに3つの撮影法・検査法が加わりました。いずれもMRIや超音波検査の応用技術として、病変の評価に役立つものです。

ダイナミックMRIは、造影剤を静脈内に注入し、造影剤が目標領域に到達するタイミングを見計らって一定時間ごとに同じ部位を連続撮影する方法です。腫瘍の血流パターンは病変の種類によって特徴があり、造影剤の効果は時間とともに変化します。これを経時的に確認することで、良悪性の鑑別や病変の種類の推定に役立てられます。

拡散強調像(DWI)は、組織内の水分子の動きやすさを画像上で強調する撮影方法です。細胞が密集していたり粘度が高かったりする組織では水分子の動きが制限されるため、そうした部位が周囲より高信号となります。超急性期の脳梗塞で組織間の水分子の動きが妨げられる場面や、細胞密度の高い悪性リンパ腫などの腫瘍診断など広く活用されています。

エラストグラフィは、超音波検査において、超音波プローブを動かしながら組織に圧をかけることで組織の硬さを測定し画像化(カラー表示)する検査法です。腫瘍組織は周囲の正常な組織と比べて硬さが異なる傾向があるため、この硬さの違いを手がかりに良悪性の鑑別やリンパ節転移の診断などに応用が検討されています。

これまでのMRI・超音波検査の知識に加えて、それぞれの撮影法で何を強調して画像化しているのかを理解しておきましょう。

 

  • 拡散強調像(111A62)
      

 

  • エラストグラフィ(114C27)
      

 

 

前回の「衛生学編」につづき、今回は「口腔機能・画像検査編」として、令和9年版の歯科医師国家試験出題基準に追加された重要ワードを解説しました。

プロセスモデルや各種評価スケール、最新の画像検査など、いずれも歯科臨床現場で実際に導入されているものばかりです。国試では「ただ用語の名前を暗記しているか」ではなく、「臨床現場でこれらの知識をどう活かすか(どう機能しているか)」という一歩踏み込んだ理解が求められます。

新しい用語に不安を感じるかもしれませんが、基本的な仕組みと臨床的な意味をセットで整理して、イメージを膨らませておきましょう!

 

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