過去問に取り組むとぶつかりがちなのが、「いっぱいあってつらい」というのと、「終わらない」「間に合わないかも」という問題。
歯科国試対策にチートなショートカットはなく堅実な積み重ねは必須ですが、そのなかでも戦略的にメリハリをつける視点、そして解ききるためのスケジュールについて考えていきましょう。

国試対策における「戦略的なメリハリ」とは
国試対策として膨大な歯科の範囲の勉強に取り組むとき、すべてに全力であたり、完ぺきに仕上げられればベストですが、それもなかなかハードルが高いのも事実です。
時間がかぎられるなか、力を抜くのではなく、「力を入れるポイント」というのが存在します。
メリハリをつけて進めていくために欠かせない2つの視点について考えてみましょう。
国試対策で過去問を解く際に意識したいポイントの1つ目は、落とせない問題=みんなが解ける問題を確実に正解する力をつけることです。
「歯科国試カコモン攻略①」では、これに対する有効な指標として正答率の使い方について解説しました。
過去問で正答率の高い問題は、基本的または頻出の論点であるといえ、この周辺の知識を重点的に固めていくことが重要です。つまり膨大な範囲のなかで「落としてはいけない内容」について、確実におさえていくということです。
逆に言えば、ここをおさえず学習を進めていくのは効率が悪いですし、たくさん勉強しても肝心なことが不確かでは得点につながりにくいといえます。
もちろん、正答率の低い問題を無視してよいかというと、そうではありません。しかし、かぎられた時間のなかで勉強するにあたり、優先的に取り組むべきなのは間違いありません。
国試対策で過去問を解くにあたり、「全体を一定以上のレベルに仕上げる」ということはとても重要です。視点1はそれにつながる「落としてはいけない内容」の優先度についてでしたが、ここではもう一つ、国家試験の科目ごとの配点から、さらに得点を伸ばしていくための戦略について考えていきましょう。
歯科医師国家試験は360問が出題されますが、必修問題と一般問題は1問1点、臨実問題は1問3点という配点になっています。配点割合でみると臨実問題が約半分超を占めており、臨実問題の出来が合否に大きく影響することがわかります。
これをさらに、必修問題を除いた一般・臨実問題の過去5年(115〜119回)について科目ごとの配点割合をみると、口腔外科、矯正、衛生、小児の4科目で約48%となります。

繰り返しますが国試対策では「全体を一定以上のレベルに仕上げる」、つまり「苦手分野・科目をつくらない」ことが重要であり、他の科目をおろそかにしてよいわけではありません。基礎系科目のなかでも問題数が多く材料の理解に必要な理工、放射線の読影は臨床系科目と密接にかかわりますし、麻酔には近年注目の全身疾患の内容が含まれます。
しかし、この4科目を後回しにして十分な時間がとれなかったり、苦手なままにしてしまうと、国試の合否に大きく影響することになります。また、ある程度全体を仕上げたあとに、あと一歩合格を確実なものにするようなときに力を入れるべき科目であるともいえます。
この4科目については早めに一定レベルまで仕上げるように心がけましょう。
過去問は早めのスタートが大事!
重点的に取り組む問題はありますが、国試対策ということでは一定期間の過去問はすべてひととおり解いておくべきです。
国試では例年、過去問からもう一歩踏み込んだ類題、✕選択肢からの出題がみられます。正答率が高くない問題についても、選択肢の用語・疾患については確認しておく必要があります。
といっても、問題数は膨大です。過去15年分を解くとして5,430問。これを仮に1日30問・週5日解くとすると、およそ9か月かかります。
実際は後半になれば学習時間を増やしたり、また必修問題や得意科目などあまり時間のかからない問題もあるかと思いますが、意外と時間はあっという間です。さらに1度解くだけでなく復習=繰り返しの時間も必要ですし、その間には試験期間や実習などもあるでしょう。いうまでもなく使える時間は有限なので、過去問はとにかく早めに解きはじめることをおすすめします。
先輩に聞く!「過去問をはじめる時期」
先輩たちのアンケート結果では、実際に解きはじめた時期と、振り返って「解きはじめたらよかったと思う時期」に大きな乖離がみられました。予定どおり進めていくのが難しく、早めにはじめればよかったと思った人が多かったようです。
アンケート結果からは、「5年生の夏まで、できれば4年生までに解きはじめる。比較的スタートの遅い国立大学の学生でも5年生までにはじめるのがよい」ということがわかります。

模試のはじまる6年生の9月までをマイルストーンの一つとして、どこまでやるかという目標を決め、強い意志をもって進めていきましょう。
「歯科国試カコモン攻略」では3回にわたって過去問に取り組むときに知っておきたいポイントをご紹介しました。
「実践2027」では、重点問題がひと目でわかる「Must!マーク」、繰り返し演習に最適なiPadアプリなどで、効率よく過去問に取り組めるようにサポートしています。
上手に活用して国試合格という「結果」につなげられますよう、応援しています!
