歯科国試カコモン攻略① 気になる数字「正答率」をどう使う?

書籍の特徴・進め方

歯科国試対策で重要な「過去問」。
このシリーズでは、過去問演習をより効果的に進めるために知っておくべきポイントについて解説します。

第1回は各問題の「正答率」について。
過去問を解くときにどのくらい気にするべきか、どう使えばよいのか、注意点とともにお伝えします!

 

国試の正答率とは

過去問題集に掲載されている正答率を、皆さんはどのように見ていますか。
優先度を決めるために使っている人、間違ったときに見る人、あまり気にしない人などさまざまでしょうか。

歯科医師国家試験において各問題の正答率は公表されていないため、過去問題集に掲載されているのは、出版元の予備校独自のデータということになります。受験生の正式な結果ではありませんが、母集団の規模が一定以上であれば傾向に大きな差異は出にくく、効率的かつ的確に学習していくための指標の一つとして有益です

では、実際にどういったふうに考えていけばよいのでしょうか。

 

まず注目するのは「正答率の高い問題」!

歯科医師国家試験の合格基準は、領域A(総論)、領域B(各論)、必修問題の3つが設定されています
過去3年の合格基準を振り返ってみましょう。

 

  117回 118回 119回
領域A(総論) 60点以上/94点(63.8%) 58点以上/97点(59.8%) 67点以上/99点(67.7%)
領域B(各論) 254点以上/379点(67.0%) 236点以上/363点(65.0%) 235点以上/352点(66.8%)
必修問題 64点以上/80点(80.0%) 64点以上/80点(80.0%) 62点以上/77点(80.5%)

※( )内は得点率。領域Bは1問3点の臨実問題を含む。
※119回の必修は採点除外問題が3問あったため合格基準が例年と異なる。

 

領域Aと領域Bは回数によって違いはありますがおよそ60〜65%前後、必修問題は絶対評価で80%の得点が合格ラインとなっています。
国試は満点をとる必要はなく一定の基準をクリアすれば合格となりますが、その合格基準は必修問題を除き相対評価で決まります。そのため、「みんなが解ける問題を落とさないこと」が何より重要です。
また、領域A・B、必修と3つの合格基準が設けられており、大きな苦手科目・分野があると他でカバーして合格基準に達するのはなかなか困難です。出題数が多いという意味で重視すべき科目(たとえば衛生、小児、矯正、外科)はありますが、まずは全科目で一定のラインを超えることをめざしましょう

つまり、国試合格のために大事なポイントは、
みんなが解ける問題を確実に正解すること
大きな苦手科目・分野をつくらないこと  なのです。

そこで注目したいのは「正答率の高い問題」です。

 

正答率で優先度がわかる!

たくさんの問題に取り組むことになる「過去問」ですが、正答率の高い問題は多くの受験生が解けた問題であり、基本的または頻出の論点といえます。 これらに重点的に取り組むことで、国試の合格ラインを超えるための基礎固めができます
国試対策の勉強をはじめた最初の段階で自分の力の確認として解いていく、また直前期の時間がかぎられる段階で高重点問題として復習していく、というときに役立つ指針となるでしょう。
一方で正答率の低い問題は、あまり時間をかけすぎないようにする、といったことも考えられます。

過去問題集「実践」では、合格基準に達するために重要な問題に「Must!マーク」をつけ、ひと目で優先度の高い問題がわかるようになっています。これまでの国試の各領域の合格ラインをもとに、およそ正答率65%(必修問題は正答率上位65問)を目安としています。これらの問題は「解けなくてはならない問題」であるといえ、重点的に取り組むようにするとよいでしょう。
もちろんiPadアプリでもこのマークで問題を抽出することができるので、直前期に重点的に演習する際などに有効です。

 

苦手科目・分野が把握できる!

もう1点、正答率の高い問題に注目することでわかるのが、「自分の苦手科目・分野」です。正答率が高いが解けない問題が散見される場合、それは他の受験生に比べて苦手な科目・分野であるといえ、重点的に復習すべきポイントとわかります

たとえば「実践」で「Must!マーク」のある問題があまり解けないと感じた場合、無理をして過去問を解き続けるのではなく、国試対策参考書や教科書を見直すなどの対策をしていくとよいでしょう。

 

 

正答率の低い問題は解けなくても大丈夫??

では、正答率の低い問題はどうでしょう。解けなかった問題の正答率が低かった場合、「できなくてもしかたないか」と思ってしまうかもしれません。たしかに正答率が極端に低い場合、その問題を「正解すること」にこだわる必要はありません
ただし、その場合も解説はしっかり確認し、選択肢の用語・疾患についての知識は身につけておくことが重要です。国試では例年、過去に出題されたテーマや、さらに一歩踏み込んだ類題がみられます。採点除外になった問題についても数年後に問題や選択肢を調整して出題される場合が多々あるので、解説は必ずチェックしておきましょう。

また、正答率については、当該回=出題時点の正答率であるということに注意が必要です。過去に正答率が低かったとしても、その後に同じようなテーマで出題されれば正答率は上がる可能性が高いので、とくに年数がたった問題の正答率はこの点への留意が必要です。

 

過去問の正答率は、上手に使うことで合格に向けた合理的な学習が可能になります。
ぜひ、正しく活用して合格に近づいてください!

次回は、過去問を解いていくときに 学習成果を最大化するための3つのポイント について解説します!

 

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