116回国試から適用される 令和5年版国家試験出題基準 のなかで、ちょっと気になるのが和漢薬ではないでしょうか。
漢方のこと? 歯科でどう使うの? どこまで勉強すればいいの?
第1回では和漢薬の基本と、歯科で使用する漢方薬について解説します!
そもそも和漢薬って何?
和漢薬とは日本独自の薬草などに加え、中国から伝来した漢方医学に基づく薬も取り入れた医薬品です。
現在使われている薬の処方のほとんどが漢方医学に基づくため、漢方薬と同義だと考えてよいでしょう。
漢方薬は自然界の植物、動物、鉱物を生薬として配合したものです。
通常の臨床で使う医薬品との違い
漢方薬は「抗菌薬」や「抗炎症薬」といった治療薬とは異なります。
特定の症状などを治療するのではなく、体の抵抗力や治癒力などを刺激して、体を「ほどよい状態(中庸)」にもっていくことをトリートメントゴールとしています。
上がったものを下げ、下がったものを上げて真ん中にもっていくことでバランスを保つイメージです。
漢方薬の選びかた
漢方薬を適切に使うために必要なのは診断です。漢方薬の診断とは病名をつけることではなく、患者の体の状態を見極めることで、これを証(しょう)といいます。
一人ひとりの証にあった漢方薬を選んで処方するため、テーラーメイド医療であるともいえます。
・同病異治:同じ病気でも証が異なれば使う漢方薬も変わる
・異病同治:同じ漢方薬でも複数の病気・病態を改善できることがある
歯科で使用する漢方薬
2021年3月現在、歯科保険適用の漢方エキス製剤は11種類あります。
これ以外でも口腔領域への効能が期待されているものはありますが、まずは11種類のなかから有名どころを覚えていくことをおすすめします。
第2回では歯科領域の漢方薬をもう一歩踏み込んで詳しく解説し、また歯科領域以外の漢方薬についてもみていきます!
▽第2回はこちら!
KEYWORD “和漢薬②” 体質による適用の例と歯科領域以外の和漢薬