厚生労働省より公表された第119回歯科医師国家試験の結果から、合格率と受験者の動向を解説します!
118回と比べて厳しい結果となった今回の合格率から今後の対策をどう考えればよいのか。
近年の結果も比較しながら見ていきましょう!
最初に国家試験までの流れを確認!
2026年に行われた第119回歯科医師国家試験。
試験日は1月31日(土)・2月1日(日)の2日間で、全国8都道府県で実施されました。合格発表は翌月の3月16日(月)で、午後2時より厚生労働省ホームページで公表されています。あわせて問題の解答や合格者数、合格基準なども公表されました。
まずは、試験までの流れをざっと確認しましょう。

例年、7月に厚生労働省より試験日や出願手続について公表され、11月が出願となっています。また試験の時間割や試験会場については、1月ころに交付される受験票で告知されます。
新出題基準が適用される120回の試験については、2026年7月1 日に実施概要が発表され、試験日が2027年1月30日・31日、合格発表が3月16日とされています。
▶ 第120回歯科医師国家試験実施概要の公表
119回合格率は前回から大幅低下に
第119回歯科医師国家試験の合格率は、全体では61.9%でした。118回は70.3%と近年では高い合格率だったこともあり、比較すると8.4%マイナスと厳しい結果となりました。
しかし、もう少し長期で俯瞰してみると、4年前の115回は61.6%であり、119回だけが突出して低い合格率ではないのがわかります。
また、新卒・既卒別では、新卒生は80.2%という結果で、前回118回の84.0%を除くと近年同じような水準といえます。
一方で既卒生は27.8%で、前回より17.1%マイナスとかなり低い合格率でした。これについてはのちほど詳しくみていきます。
高かった前回の合格率に比べると大幅に下がった119回ですが、歯科国試は近年厳しい状況がつづいており、ある意味その延長にあるともいえます。
これから国試を受験する皆さんは、これまでと同様に、早めに国試対策に着手するなど万全の準備をすることが求められます。合格ラインにしっかり届くような正しい対策をして国試に望むようにしましょう。

では、合格者数はどうだったでしょう。

119回の出願者数は3,219人、受験者数は2,837人、合格者数は1,757人でした。
近年、合格者数は2,000〜2,100人程度なので、1,800人以下というのはかなり少なかったといえます。
こちらも合格者数だけをみるとかなり厳しい印象ですが、一方で119回は出願者数も例年より少なかったのが大きな特徴です。過去20年の平均と比べると、119回は受験者数が399人マイナス(平均3,236人)、合格者数が429人マイナス(平均2,186人)となっており、単に合格者だけが大幅に減ったのではないことがわかります。
これらの数字をふまえると、今後の動きは不透明で厳しい状況ではあるものの、むやみにあせらず、堅実に対策をすすめることが大切です。
現役生の国試対策は「早くから」「効率よく」!
国試の合格率をみると、新卒生は119回では80.2%でした。前回119回を除くと、近年はおよそ80%前後で推移しています。
ですが、本当に「新卒者の合格率は8割程度」と考えてよいのでしょうか。
新卒生では、出願から受験までに人数が大きく減少しています。
私立大学生は、出願者1,615人に対して受験者は1,278人。約2割にあたる337人が国試未受験でした。

仮に、新卒者の「出願者」の合格率を算出してみると67.8%となり、公表されている「受験者」の合格率より12.4%下がります。
国試未受験者のほとんどは、いわゆる卒留生、卒試不合格者と考えられ、とくに私立大学の学生は卒試と国試の2つのハードルを越えなくてはならないことがわかります。
一方で国公立大学の学生は国試未受験となることは少ないものの、定期試験に加えて実習期間が長く続くこともあり、国試対策の時間は限られます。
これらに対応するため、現役生の国試対策は「早くから」「効率よく」ということを意識してすすめることが重要です。できるだけ早く過去問など国試対策に取り掛かること、大学の講義や実習、国試対策に特化した参考書やWeb講義などを上手に使って効率よくすすめることを考えましょう。

既卒生の合格率は回を重ねるごとに下がる
では、既卒生の場合はどうでしょうか。
既卒生の合格率は、119回では27.8%とこれまでにない低い結果でした。既卒生の合格率は35%〜45%で動きはあるものの、ここ10年を平均すると40%超なので、これはかなり低い結果だったといえます。
その理由の一つとしては、合格率の高い年の翌年は既卒生の合格率は低くなる傾向があるので、それが顕著に出たというのが考えられます。
既卒生で注目したいのは、卒業年次(受験可能回数)による合格率です。119回では新卒者は80%ですが、2回で43%、3回で31%、4回で26%と段階的に下がっていることがわかります。
残念ながら不合格だった場合、とにかく「早く合格する」という強い意志をもち、気持ちを切り替えて対策を行うことが大事だとわかります。

新卒生は卒試・国試という2つのハードルがあり、また実習など時間が限られるなか、いかに早くから、効率よく国試対策に手をつけられるかがポイントとなります。
一方で既卒生は、年次を経るごとに合格率が低下する傾向から、「早く合格する」という意志を強く継続できるかが重要です。
それぞれ当たり前ともいえますが、試験結果からも大事なことだとわかります。
次回は、国試の出題形式や合格基準、注目テーマについて解説します!
イラスト:limop