歯科器材オールガイド
今回は咬合印象用トレーについて解説!

何に使う?
咬合印象用トレーは「咬合印象法」で使用する器具です。
咬合印象法の最大の特徴は、上下顎を同時に印象採得できることです。このとき、咬合関係も同時に記録するため、インターオクルーザルレコードなどによる咬合採得が不要となります。
国試ではどう問われている?
113B78
62歳の女性。上顎右側第一大臼歯欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。検査の結果、⑦6⑤┘のブリッジを製作することとした。印象採得時の写真(A)と印象体の写真(B)を別に示す。

この印象法の利点はどれか。2つ選べ。
a 歯型の寸法精度が高い。
b 咬合関係の再現精度が高い。
c すれ違い咬合に適用できる。
d 上下顎同時に印象採得ができる。
e 上下顎同時に石膏を注入できる。
答え B、D
他にも107A59、108A42などでも咬合印象用トレーに関して出題されています!
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臨床では?
咬頭嵌合位が安定していることが前提で、単冠や1/3顎程度の補綴装置の支台歯に対する印象にかぎられます(インレーは適応外)。
なお、歯冠修復物装着部以外に左右側それぞれ1か所以上の咬合支持域が存在することも条件に含まれます。
❶咬合印象用トレーの試適と閉口位の確認を行ったのち、咬合印象用トレーの両面にシリコーンゴム印象材を盛る
❷口腔内にトレーを挿入し、患者に咬頭嵌合位で閉口させ、印象材が完全に硬化するのを待ってからトレーごと撤去する
↓ラボサイドへ
❸印象体への石膏注入は上下顎同時に行うと一方の石膏が流れ出てしまうため、片方ずつ石膏を注入する
❹上下顎の石膏が硬化したのち、印象体から模型を撤去せずにトレーごと咬合器に装着し、装着部の石膏硬化後にトレーと印象体を撤去する
↓
その後は通法のとおり
●利点
・咬合器上における咬頭嵌合位の再現精度が高く、補綴物装着時のチェアタイムが短縮される。ただし、偏心運動時の咬合調整は必須
・閉口状態で採得するため、開口筋の収縮による下顎骨の歪みの影響を抑えることができる
●欠点
・模型製作がやや煩雑
・トレーの長さは1/3顎程度の長さであるため、全顎にわたるような補綴装置は適応外
科目
●補綴
参考・出典
『NewText⑤補綴』の「冠橋義歯学」Chapter08-02印象法で詳しく解説しています。