歯科器材オールガイド
この機器の名前はなに?
答え ネブライザー
使い方は?
ネブライザーは、副腎皮質ステロイド薬、気管支拡張薬、気道加湿薬、粘液溶解薬、抗菌薬などの薬液を霧状にして気管や肺に届ける機器です。喘息や副鼻腔炎などの治療に使われます。
ネブライザーは薬液を霧状に変化させる方法により複数の機器のタイプがあります。以下に機器のタイプごとの特徴をまとめました。機器によっては使用できない薬剤もありますので、医薬品添付文書などを確認のうえ適切な機器を選択することが重要です。
表:ネブライザーの種類
ジェット式 (コンプレッサー式) |
超音波式 | メッシュ式 | |
霧状化の機序 | 圧搾空気を利用して霧状化 | 超音波振動を利用して霧状化 | 振動で薬液をメッシュから押し出して霧状化 |
利点 | ・使用できる薬が多い ・機器のメインテナンスが容易 |
・高出力で長時間使用可能 ・霧状粒子の均一性、安定性に優れる |
・動作音が静か ・持ち運びしやすい ・寝た状態でも使用可能 |
欠点 | ・動作音が大きい ・使用頻度が多いと流量が低下しやすい |
使用できない薬が多い |
使用できる薬の種類に制限がある |
一般的に副腎皮質ステロイド薬は超音波式が適さず、ジェット式が推奨されています。
なお、患者に吸入させる際には機器に吸入用アタッチメントを装着して治療環境に適した形で吸入できるように配慮します。吸入用アタッチメントとしてはマスク、マウスピース、ノーズピースなどがあります。
国試ではどう問われている?
113B69
38歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。頭部外傷の既往がある。クエン酸を溶解した生理食塩液を用いて行ったある検査の写真を別に示す。
評価するのはどれか。1つ選べ。
a 咬反射
b 咳反射
c 嚥下反射
d 吸啜反射
e 絞扼反射
答え B
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・【実践 for iPad 使い方講座 応用編③】復習に[付箋]と[問題セット]を活用しよう!
・【FAQ】付箋の名前を変更する方法を知りたいです。
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臨床では?
歯科の臨床では、クエン酸を霧状化もしくはエアロゾル化して吸引させ、咳反射が起きるかを調べる「咳テスト」に使います。1分間吸引させ、咳反射が4回以下の場合は不顕性誤嚥の疑いがあります。30秒で評価する方法もあり、咳反射がない場合は不顕性誤嚥の疑いとなります。
また、咳テストは喘息患者には禁忌です。
咳テストはネブライザーの仕組みを応用したものです。臨床における基本的な用途などはこちらを参考にしてください。
科目
●摂食嚥下リハビリテーション
参考・出典
『NewText⑧高齢者・麻酔』の「高齢者」Chapter03-03摂食嚥下障害の検査で詳しく解説しています。