ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)について皆さん知っていますか?
おそらくですが、聞いたことがない人もいるのではないでしょうか。
最新の教科書には載っていますが、古い版では言及されていないこともあります。
しかし、実はこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジは 令和5年版国家試験出題基準 に記載があります。
国家試験に向けて、今回はこの内容を簡単に紹介します!
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジって何?
まずは言葉からみていきましょう。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ=「Universal Health Coverage」は、直訳すると「世界共通の 健康の 補償」という意味です。
定義としては「すべての人が適切な予防、治療、リハビリなどの保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を意味しており、WHOはこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成をめざしています。
なぜ重要なのか
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの概念は、近年話題のSDGs(持続可能な開発目標)にも含まれています。
SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」の8番目のターゲットである「すべての人が基礎的な保健サービスを受け、値段が安く、かつ質の高い薬を手に入れ、予防接種を受けられるようにする」。これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成をめざした概念です。
2017年発表のWHOらの調査によると、全世界の約半分の人がいまだに必要不可欠な保健医療サービスを利用できない状態だとされており、そのためユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成することが重要な課題となっているのです。
では、日本におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジに該当する制度といったら何でしょう。
ここまでの内容から「国民皆保険制度」や「医療保険制度」といったワードが思い浮かんだでしょうか?
わが国はすべての国民が医療保険に加入する国民皆保険制度であり、誰もがいずれかの公的医療保険の被保険者となり、必要なときに必要な医療サービスを受けることができます。
これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジの概念に当てはまりますね。
日本は早期にユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成できたことで世界有数の健康長寿国になったのではないかとも考えられています。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)について概要を理解できたでしょうか?
国家試験に出題されても焦らず、今回の内容を思い出して問題を解いてみてください。