【衛生News!】医療法改正 改正のポイントをおさえておきましょう!

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最近また医療法の改正がありました

2025年(令和7年)に医療法等の一部を改正する法律が成立し、同年12月12日に交付されました。施行日は2027年4月1日を原則としていますが、一部は2026年4月1日、2026年10月1日から施行され、段階的に施行が進んでいく予定となっています。
医療法はこれまでも必要に応じて改正が繰り返されてきました。直近では2024年4月に医師の働き方改革を中心とした改正がありましたが、今回の改正はそれにつづく大規模な改正となります。

 

今回の医療法改正のポイントは?

今回の医療法改正の柱は次の3つです。

1.地域医療構想の見直し等
2.医師偏在是正に向けた総合的な対策
3.医療DXの推進

高齢化進行に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据え、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を整備することを目的としています。

以下、それぞれの柱について改正の概要を確認していきましょう!
第120回歯科医師国家試験日の時点で施行済のものについては「施行済」と記載しています。

 

1.地域医療構想の見直し等

これまでの医療法改正では病床数の調整が議論の中心でしたが、今回の改正では病床にかぎらず、地域全体の医療提供体制を包括的に見直しています。

❶地域医療構想の拡大

2040年ころに医療需要がピークを迎えることをふまえ、病床だけでなく入院・外来・在宅医療や介護との連携を含む将来の医療提供体制全体の構想に拡大します。

❷市町村の参画

地域医療構想調整会議の構成員として市町村を明確化し、在宅医療や介護との連携等を協議する際の参画を求めます。

❸報告制度の新設(施行済)

高齢者救急、地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点機能などの医療機関機能報告制度を新設します。これによって今後は病床を「ただ持っている」だけではなく、地域医療提供体制のなかで、どの機能を担っている医療機関なのか、役割を明確に説明できることが求められます。

❹病床削減の支援(施行済)

地域の実情をふまえ、都道府県が医療機関の経営安定のために緊急に病床を削減することを支援する事業を行うことができるようにします(医療の質の確保が前提)。

❺オンライン診療の定義化(施行済)

オンライン診療を医療法に定義し明文化します。それに伴い手続き規定が整備されます。

❻美容医療の定期報告義務

美容医療を行う医療機関に定期報告義務を設けます。

今回の医療法改正によってオンライン診療は可否だけでなく、定義をふまえた実施方法や実施体制であるか、施設要件を満たしているかなどが問われます。美容医療に関しては自由診療であっても定期報告義務が生じることから、適切に運用されているかどうかが問われます。全体として規制が強化されたといえるでしょう。

 

2.医師偏在是正に向けた総合的な対策

❶重点区域の設定

都道府県知事が「重点的に医師を確保すべき区域」を定めることができ、その地域で勤務する医師に対し、保険者からの拠出金を財源として手当を支給できるようになります。

❷外来医師過多区域への規制強化(施行済)

外来医師が多い区域での無床診療所の新規開設に対し規制が強化されます。具体的には開設の事前届出制、要請勧告公表、保険医療機関の指定期間の短縮などです。

❸管理者の要件化(施行済)

保険医療機関の管理者について、保険医として一定年数の従事経験をもつことなどが要件化されます。

これらの改正によって外来医師過多地域では新規開設のハードルが高まり、既存の診療所においても管理者要件など運営体制の見直しを迫られることになります。

 

3.医療DXの推進

❶電子カルテ普及率の目標設定

「政府は2030年12月31日までに電子カルテ普及率が約100%になることを達成するよう、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術等の活用も含め医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならない」との目標が設定されました。

❷医療情報の共有と二次利用

電子カルテ情報の医療機関間での共有や、感染症発生届の電子カルテ情報共有サービス経由での提出などが可能となります。また、厚生労働省が保有する医療・介護データベースの仮名化情報の二次利用も推進します。

❸医療DX運営主体の見直し

社会保険診療報酬支払基金が医療DXの主体となるよう、母体の名称や組織体制の見直しが行われます。また、厚生労働大臣は、医療DXを推進するための医療情報化推進方針を策定し、その他公費負担医療等に係る規定を整備します。

今回の改正によって医療DXへの対応は各医療機関の選択肢の一つではなく、前提条件と位置づけられたといえます。医療DXへの対応にはコストがかかりますが、単なるIT化や業務の効率化にとどまらず、医療の将来にかかわる問題として国が重要視していることがわかります。医療DXは単にデジタル機器を使えばいいということではなく、医療情報を広く、確実に共有することが前提となります。そのため、医療機関における業務の体制や情報共有のしくみなどシステム面での改革を進めることが求められています。

 

以上、医療法改正の概要を説明しました。
医療法が規定する内容は多岐にわたりますが、今回の医療法改正は「いかに良い医療を提供するか」だけでなく「しくみとしていかに再現性・継続性があるか」という点に重きがおかれています。法改正の背景には高齢化の進行や医療提供体制の維持への不安など、近年の医療が抱えている問題が大きくかかわっているといえるでしょう。
個々の改正内容を暗記することは、さほど難しくありませんが、そもそもこのような改正内容となったのはなぜなのか?という点を意識しながら覚えていくと、より理解が深まると思います。

 

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