
前回はBISとはどのようなモニタか?BIS値と意識レベルとの関係などを紹介しました。
今回は少しふみ込んで、BISを正しく使うために必要なことなどをまとめていこうと思います。
BIS値を鵜呑みにしてOK?
BIS値が意識レベルを評価するうえで役に立つ指標の一つである一方、患者の脳波を元に解析した数値であるがゆえに、値そのものが信用できるか?という点がどうしても残ります。
そこで、BIS値を評価するうえで参考となるいくつかのパラメータがあります。

上のBISの画面を見ると、脳波(EEG)とBIS値以外にいくつかアルファベットがあるのがわかると思います。SQI、SR、EMGなどBIS値とは違うこれらがBIS値の信頼性を確認するうえで参考となります。
ちょっと難しいのですが、こういうものを参考にしているということは把握しておいてください。
SQIとは?
Signal Quality Indexの略で脳波信号の品質指標です。検出された脳波の質がどれだけ高いか、良好な信号の割合を数値もしくはグラフで表示しています。SQIは数値が大きい(グラフの場合は+に近い、もしくはバーの数が多い)ほうがBIS値の信憑性が高いとジャッジします。
通信状態が不良、電極の接触不良、コードの断線などではSQIが低下します。
SRとは?
Suppression Ratioの略で平坦脳波指標です。直近1分間の脳波のうち平坦脳波が出現した割合(脳波信号が抑制された割合)を示します。BIS値が上昇しているのにSRが増えているような場合では、BIS値の状態よりも実際の麻酔は深く効きすぎている可能性もあります。SRは0(ゼロ)が普通です。
EMGとは?
Electromyogramつまり、筋電図です。BISは脳波を用いていますが筋電図が混入してしまうと正しい評価が難しくなります。筋電図が混入すると覚醒している脳波に近くなってしまうため、BIS値は実際の意識レベルよりも高値となります。
そのため、筋電図は極力、混入していないのが望ましいです。全身麻酔では筋弛緩薬などで体動を抑制するため筋弛緩薬が十分に効いていれば筋電図の混入は少ないですが、精神鎮静法では患者は有意識で筋弛緩薬も使用しないため、筋電図の影響を強く受けます。
その他
手術中に電気メスなどを使用すると、脳波にノイズが混入しBIS値に影響を与えることがあります。BIS値は脳波を解析して得られた数値であるため、ノイズが混入すると数値も変動します。また、手術侵襲による脳波変化とBIS値の変動は予想不能であるため、術中は十分な鎮痛が不可欠です。
BISの使用手順
歯科でBISを使うのは口腔外科や麻酔科などかぎられた診療科が中心で馴染みがうすいと思いますが、基本的な手順は以下のとおりです。

国試では
歯科国試では112A17(必修)で出題されています。意識レベルをモニタリングする機器であることを問う平易な内容ですが、写真を見てBISだと気づかないと解けないため、見たことない人は戸惑ったかもしれません。
BISと類似した役割をもつ機器も開発が試みられていますが、臨床応用の実績が乏しいため、当分の間はBISが活躍すると思われます。
今後の国試ではもう少しふみ込んだ問われ方をする可能性もあるため、今回の記事を機に臨床的な知識を入れておきましょう!