第119回の国試は、令和5年版の歯科医師国家試験出題基準の適用最終年でした!
科目横断的な出題や複雑な問題設定に難しさを感じた部分があったかもしれませんが、すでにある知識をうまく活用すれば容易に答えが出る内容が多くを占めていました。また、目新しい用語は決して多くありませんでした。
誤答選択肢も含めた過去問の徹底学習や教科書のていねいな読み込みはもちろん、時事的なトピックスも例年どおり出題されていたので、幅広くアンテナを張っておくことも引き続き求められるでしょう!
では、デンスタが「気になった」新ワードを必修からみていきましょう!
B6 MID 〈Minimal Intervention Dentistry〉
M.I.〈Minimal Intervention〉の進化版の概念であるMID〈Minimal Intervention Dentistry〉が初出題されました。
MIDの基本的な考え方は以下のようになります。
(1)早期病変の早期発見と齲蝕リスクと病変の活動性を評価する
(2)エナメル質および象牙質の齲蝕でまだ齲窩を形成していない齲蝕の再石灰化
(3)健全歯質を最大限に保存する
(4)テーラーメイドリコール
(5)劣化した修復物は再修復によりリペアを検討
(6)修復処置による介入を最小限にとどめる
(※成書により多少の差異がみられます)
また、MIDは過去の国試では出題されていないテーマでしたが『New Text④保存』の「保存修復学」Chapter04-06M.I.〈Minimal Intervention〉で解説しています!
B17 特殊粘膜
特殊粘膜に関する問題が初めて出題されました。
口腔粘膜は組織学的に咀嚼粘膜、被覆粘膜、特殊粘膜の3つに分類されます。
(1)咀嚼粘膜
・歯肉、硬口蓋が属する
・錯角化もしくは正角化上皮が被覆する
・粘膜下組織を欠き固有層が骨膜と結合し、非可動性である
(2)被覆粘膜
・口唇、頰、軟口蓋、口腔底、舌下面が属する
・非角化上皮が被覆する
・粘膜下組織をもち、可動性に富む
(3)特殊粘膜
・舌背が属する
・味覚の受容器である味蕾が存在する
C4 低栄養を疑う体重減少率
低栄養に関する出題は過去(116D33)にもありましたが、体重減少率の数値は初めて問われました。
低栄養を疑う体重減少率は1週間で2%、1か月で5%、3か月で7.5%、6か月で10%が目安となりますが、臨床的には3か月値、6か月値を用いることが多いです。
低栄養指標は数多く存在しますが、BMIや理想体重比(%)、体重減少率(%)は血液検査なしでも評価できる点が利点でもあります。
また、低栄養を含む栄養状態の評価に関する診断基準として118D84で出題されたGLIM基準が119B72でも出題されています(『New Text⑧麻酔・高齢者』の「麻酔」Chapter05-04周術期管理参照)。低栄養は早期発見と早期介入を適切に行うことが重要視されており、とくに高齢者の栄養状態の評価は歯科においても重要なテーマです。
今後も出題される可能性があるので、しっかりとおさえておきましょう!
C17 病診連携
チーム医療のテーマから「病診連携」が出題されました。
チーム医療に関する用語を整理しておきましょう。
・病診連携:高度医療を提供する病院と地域内の診療所との連携により最適な医療を効率的に提供する
・診診連携:診療所どうしの連携により相互の専門性を活かす
・医科歯科連携:全身疾患を有する患者の歯科治療など、医科と歯科の連携により適切な医療を提供する
・多職種連携:医師、歯科医師、看護師、薬剤師などが専門性を活かして協力し、患者を包括的にサポートする
いかがでしょうか? 新ワードについても、過去問を軸に周辺知識を整理しておけば落ち着いて対応できます。大切なのは、最新の医療情報を意識しつつも基本に忠実な学習を心がけることです。すでに学んだことでも「うろ覚え」のことが多いので、油断せずにていねいに復習することが得点力につながります。
また上記のように『NewText』では、国試対策や臨床において意義の高い未出題ワードを「プラスα」や「Dictionary(本文用語解説)」として積極的に盛り込んでいます。 効率よく一歩先の知識を補えるよう構成していますので、ぜひ活用してみてください。
次回は基礎系、臨床系の新ワードを解説します!次回の記事を楽しみにしていてください!