歯科系CBTのキホンを解説! 試験形式、出題範囲、対策のポイントなどを徹底解剖

CBT情報

4年生になったらCBTはすぐそこ!
試験形式の特徴、出題範囲、合格基準、対策のポイントは? CBTが公的化される!? 
これから歯科系CBTを受験する皆さんに、試験のキホンを解説します!

歯科系CBTとは?

CBTとは「Computer Based Testing」の略でコンピュータで行う試験という意味ですが、そのなかで歯学生の皆さんに一般的に「CBT」とよばれるのは、「臨床実習前共用試験」のうちの一つであるCBT形式の試験をさします。臨床実習前の共用試験は、臨床実習で許された範囲の医療行為を行うことができるかを判定する試験で、歯科医師法で定められた公的な試験です(2024年4月施行)。
知識をはかるCBTと、医療面接や診察といった技能をはかるOSCE(オスキー)の2つからなります。

この試験を実施しているのは「医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)」という機関で、試験は全国の歯学生が一律で受験します。
なお、2026年からは共用試験合格が公的に国家試験の受験資格要件になります。もともとこの試験に合格しなければ必要な単位は取得できませんでしたが、これにより国家試験、歯科医師免許取得につながるますます重要な位置付けの試験になったといえます。


公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構 HP

 

CBTの受験時期は?

歯科系CBT(以下CBT)が行われる時期は、臨床実習が始まる時期により、以下の2つのいずれかとされています。大学によって実施時期は異なりますが、おおむね私立大学・公立大学では4年次の12〜3月国立大学では5年次の6〜9月に実施されています。
具体的な試験日は大学によって異なりますので、在籍大学で必ずご確認ください。

試験の目的や形式は異なりますが、CBTは国家試験と同じく全国統一で歯学生が受験する最初の試験です。4年生の冬に試験がある場合は早めに気持ちをシフトチェンジして対策をはじめる必要がありますし、5年生の夏に試験がある場合は続いてすぐあとに国試対策をはじめることになります。
いずれにしても試験時期を見据えて計画的に対策をすすめることが大事です。

臨床実習前共用試験の公的化に伴い試験時期の見直しが検討されており、今後は1期制での実施など大きな変更も考えられます。試験の時期により対策のスケジュールが大きく変わるため注意が必要です。

 

出題範囲となる「コアカリ」

CBTは「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」(以下コアカリ)に示されている到達目標(学修目標)をもとに出題するとされています。「コアカリ」は文部科学省のホームページで公表されており、誰でも見ることができます。
2024年度にCBTを受験する学生に対応する平成28年度改訂版のコアカリはA〜Eの大項目からなり、それぞれに中・小項目、対応する学修目標が示されています

学修目標はたとえば、
「C-3-4)-(2):①人体の基本的な骨格系と骨の結合様式を説明できる。」
「E-1-4)-(1):①バイタルサインの意義とそのモニタリングの方法を説明できる。」
「E-2-4)-(6):①口腔・顎顔面領域に発生する腫瘍の種類と特徴を説明できる。」
といったかたちで示されています。この内容がCBTの出題範囲であるといえ、これらをきちんとおさえていくことが重要になります。

コアカリの出題割合をみると、基礎系科目の比率が高いことがわかります。基礎系の科目は1・2年生で履修する大学も多く、時間があいて忘れていることも多いかもしれません。そういった意味でも、早めに範囲内のポイントをおさえた対策をはじめることが大事です。

なお、すでに発表されている令和4年改訂版のコアカリは、2024年度の入学者から適用とされています
「診療の流れ」や多職種連携を含む「超高齢社会への対応」に関する項目の拡充、より学修内容のつながりが理解しやすいような項目の整理などが行われ、大項目の構成も変更されました。該当する学年ではこれらの内容をふまえた試験対策を行うことになります。


文部科学省 HP 歯学教育モデル・コア・カリキュラム

 

CBTならではの特徴的な試験形式を確認!

試験は全320問6つのブロックに分け、1日で行われます
基本となる「5選択肢択一」とは、選択肢5つのなかから答えを1つ選ぶ形式です。特徴的なのはブロック5・6の連問という問題形式で、これは次の問題に進むと前の問題に戻ることができません。CBT形式ならではといえるでしょう。
「多選択肢順次解答2連問」は同じテーマの2問について、内容の異なる問題が出題され、それぞれ7〜10の選択肢から答えを1つ選びます。「順次解答連問形式」の問題では、同一の症例について2問または4問が連続して出題され、たとえば所見、診断、治療などの流れに沿った設問になっているものなどがあります。

順次解答連問形式では前の問題に戻れず見直しもできません。解答を慎重に選ぶ必要がありますが、1問あたりの解答時間は1~1分半程度なので注意が必要です。

問題は6,000題以上蓄積されている「プール問題」から、難易度の公平性を調整したうえでランダムに出題されます。つまり、受験生によって出題される問題は異なります
全320問のうち約240問が採点対象問題で、残りの約80問は試行問題といい、新規に採用された問題の特性を評価するための出題です。ただし、受験生はどの問題が採点対象かはわからないので、すべてに力を使って解く必要があります

 

合格基準はどれくらい?

CBTは全国的に統一された試験ですが、合格基準はこれまで大学が独自に設定しており、65〜75点(100点換算)と幅があります。また、このほかに2024年からの公的化も見据え、IRT標準スコアによる成績評価を用いて(または得点率とあわせて)合格基準を設定する大学も増えています。IRT標準スコアとは、問題の特性(難易度など)に対する反応(解答の正誤)によって受験生の能力値を表すもので、CBTの個人成績表に記載されています。
IRT標準スコアが合格基準の場合も470〜530程度と大学により幅がありましたが、今後はIRT標準スコアでの統一基準での合否判定の方向になるとされ、在籍大学が発信する情報をきちんと確認しておくことが重要です。

CBTの合格基準に満たなかった場合、再試験を受験することになります。2022年度は受験者2,357人に対し再試験受験者は572人(約24.3%)。再試験受験者は増加傾向にあります。

 

歯科系CBT対策のポイント

CBTの出題範囲である「コアカリ」は大学における「教育内容ガイドライン」であり、基本的にはこれまで学んだ内容が範囲ということになります。とはいっても、約4年間の学習範囲をすべて復習するというのは大変です。広い範囲からランダムに出題されるCBTへの基本的な対策としては、コアカリに準拠した参考書や問題集でひととおり学習していくのがおすすめです。
コアカリに沿って学習モレや苦手分野をなくしていきましょう

CBTの問題の特徴の一つとして、ビジュアルを使った問題が多いこともおさえておかなくてはいけません。写真や図版、チャートなど、画像や図の内容もあわせて読み取り、設問に解答する問題が多く出題されます。生体現象の機序、解剖図、症例に関する画像など、勉強していくときにはビジュアルで理解することを意識することもポイントです。

パソコンで解答することや、連問といった特殊な問題形式に対応するには、模擬試験を最大限に活用しましょう。もちろん時間配分に慣れることも重要です。

CBTはプール問題の良問から出題されることもあり、ていねいにコアカリの範囲をおさえて知識を積み重ねれば対応できる内容といえます。
ポイントとなるのは、早めに計画を立てて取り組むこと。CBTの範囲は国家試験の勉強のベースになる内容でもありますので、「ぎりぎりでも合格すればいい」ではなく、「ここできちんと基本的なことをおさえる!」といった姿勢で取り組むことも大事です。
CBT合格、さらには国試に向けた基礎固めができるよう、計画的に取り組みましょう。
皆さんのCBT合格を応援しています!

 

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